ニュース
ソニー超小型衛星「EYE」、姿勢制御に問題–予定の撮影サービスは難しく
2023.04.14 08:00
ソニーグループ(ソニー)の人工衛星「EYE」に姿勢を制御する機能に問題が見つかった。撮影時のアングル指定の自由度が制限され、地上との通信も制限されるという。
このため、想定していた撮影サービスを提供することが難しいと結論を出した。
EYEは、「α」シリーズを手掛けるソニー製の高性能カメラを搭載した超小型衛星。同社が東京大学、宇宙航空開発研究機構(JAXA)とともに推進する「STAR SPHERE」プロジェクトの一環として開発した。
プロジェクトチームは「EYEは宇宙で頑張っている」と言及。「地球の周回軌道に乗って自力で飛行を続けながら、通信状況が良い時には、気ままに宇宙空間や地球の写真を我々に送ってきてくれている」と現状を説明した。
当初予定していた「宇宙撮影ツアー」「宇宙撮影プレミアム」を企画した通りに提供することはできなくなったが、「不具合がありながらも懸命に生きているEYEを通じて、応援してくださるみなさまへ、新たな宇宙感動体験を共有させていただくべく、メンバー一同、知恵を絞っている」状況ともしている。
「楽しみにお待ちいただいていたみなさまには申し訳ありませんが、ちょっと不具合を持っているけれども健気に生きているEYEと本プロジェクトを、引き続き応援していただければと願っています」(STAR SPHEREプロジェクトメンバー)
EYEは、1月3日に米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍施設から打ち上げられた。2月2日に宇宙からの写真撮影に成功。地球を1周する約95分間の中から任意の10分間、カメラワークを全てユーザーが指定し、静止画や動画を撮影できる遠隔撮影サービスなどが予定されていた。