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ソニーの超小型衛星「EYE」打ち上げ成功–宇宙からの写真や動画をユーザーの遠隔操作で撮影

2023.01.05 09:48

小口貴宏(編集部)

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 ソニーグループ(ソニー)が開発した超小型衛星「EYE」は米国東部時間1月3日、米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍施設から打ち上げられた。Space Exploration Technologies(SpaceX)のFalcon 9ロケットに搭載され、高度524kmの軌道に無事投入された。

▲ソニーの超小型衛星であるEYE(提供:ソニー)

 EYEは、ソニーの高性能カメラを搭載した超小型衛星だ。同社が東京大学、宇宙航空開発研究機構(JAXA)とともに推進する「STAR SPHERE」プロジェクトの一環として開発された。

 2023年春以降、地球を1周する約95分間の中から任意の10分間、カメラワークを全てユーザーが指定し、静止画や動画を撮影できる遠隔撮影サービスなどの提供を予定している。

▲Falcon 9ロケットによる打ち上げの様子(提供:ソニー)

 また、Pale Blue(千葉県柏市)が開発した水を推進剤とする「水エンジン」を搭載した点も特徴となる。同エンジンは水蒸気の噴出を推進力として用いるもので、従来の推進剤であるキセノンやヒドラジンのような危険性がなく、取り扱いが極めて容易かつ低コストとなる。EYEでは高度500〜600kmへの軌道投入や軌道維持に同エンジンを活用し、エンジンの寿命は約2.5年間を想定している。

▲Pale Blueが開発した水エンジンのサンプル品(NIHONBASHI SPACE WEEK 2022で撮影)

 EYEは打ち上げ後、地上局との間でSバンドを利用した通信の確立にも成功した。受信データを解析した結果、太陽電池の展開に成功し、電力が正常に確保されていることも確認したという。

 打ち上げにあわせて、同衛星の管制室がソニー本社ビル内に新規に設置された。衛星の運用は、ソニーとソニーワイヤレスコミュニケーションズに加え、東京大学の中須賀・船瀬研究室、およびアークエッジスペースが共同で担うとしている。

 今後はカメラで撮影した静止画や動画を地上に送信するためのXバンドの通信確立を予定している。そして、システムの健全性を確認後、水レジストエンジンを使用した高度上昇運用を実施するという。

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