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月探査ミッション「Artemis I」、ハリケーンをやり過ごし11月16日の打ち上げへ
2022.11.14 13:50
米航空宇宙局(NASA)は、ハリケーン接近で延期していた月探査計画「Artemis(アルテミス)」初のロケット打ち上げミッション「Artemis I」について、打ち上げの支障になる大きな問題は見当たらないと発表した。現時点では、最新スケジュールどおり米東部標準時(EST)11月16日午前1時4分(日本時間11月16日午後3時4分)から2時間のあいだに打ち上げる方向で作業を進めている。
Artemisは、月に宇宙飛行士を送り、月面探査などを実施する計画。初ミッションのArtemis Iでは、新型ロケット「Space Launch System(SLS)」で無人の宇宙船「Orion」を打ち上げて月軌道を周回させ、最終的に地球へ帰還させる。Artemis計画において、SLSとOrion、ケネディー宇宙センターの地上管制システムを初めて統合した形で実施する試験、という位置付け。
Artemis Iは当初8月29日に打ち上げる予定だったが、エンジン関連トラブル、液体水素漏れ、ハリケーン「Ian(イアン)」接近、ハリケーン「Nicole(ニコル)」接近により、再三再四の延期を強いられてきた。
熱帯低気圧からハリケーンへ発達したNicoleが接近したものの、NASAはArtemis IのSLSが風雨に十分耐えると考え、ケネディー宇宙センターの発射台「39B」に設置したまま組立棟へ戻さなかった。通過後の検査で、強風にさらされたものの問題ないことを確認した。
11月16日の天候は、今のところ90%の確率で打ち上げに適していると予想されている。
NASAは、ESTの11月14日午前1時24分(日本時間11月14日午後3時24分)にカウントダウンを開始する。打ち上げの様子は、約2時間半前のESTで11月15日午後10時30分(日本時間11月16日午後12時30分)からライブ配信する予定。
このタイミングで打ち上げられなかった場合、予備の打ち上げ日時として、ESTで11月19日午前1時45分(日本時間11月19日午後3時45分)からの2時間を用意している。