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宇宙での生物学実験「BioSentinel」、Artemis Iで打ち上げへ

2022.08.17 18:26

塚本直樹

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 間近に迫った米航空宇宙局(NASA)の月探査ミッション「Artemis I」では、世界初となる深宇宙での生物学実験「BioSentinel」が実施されることになる。

 Artemis Iでは次世代ロケット「Space Launch System(SLS)」で無人の宇宙船「Orion(オライオン)」が打ち上げられる。またロケットは10機のキューブサット(小型人工衛星)も同時に打ち上げ、その中に今回のBioSentinelの人工衛星が含まれる。

 BioSentinelでは酵母菌(イースト)を太陽周回軌道へと投入する。宇宙の放射線(宇宙線)が酵母菌にどのような影響を与えるのかを研究する。宇宙線が人体を通過すると、がんなどの病気を引き起こす可能性があり、また酵母菌は2本鎖のDNAを持つなど、人間の細胞と似た構造となっている。

 NASAのAmes研究所でプロジェクトマネージャーを務めるMatthew Napoli氏はBioSentinelについて、「これは初めての研究で、非常に興奮しています」と語っている。

 NASAの「Artemis」ミッションでは、有人による月面探査が予定されている。さらに将来、SLSでは火星探査も想定されている。そのような有人宇宙探査でBioSentinelが収集したデータが活用されることが期待される。

(出典:NASA/Daniel Rutter)
(出典:NASA/Daniel Rutter)

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