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小惑星へのソーラーセイルミッション「NEA Scout」、Artemis Iで打ち上げ

2022.08.19 07:30

塚本直樹

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 8月末の打ち上げが予定されている米航空宇宙局(NASA)の月探査ミッション「Artemis I」では、ソーラーセイルを利用した探査機ミッション「Near-Earth Asteroid(NEA) Scout」を展開する。

 Artemis Iでは、巨大ロケット「Space Launch SystemSLS)」で無人の宇宙船「Orion(オライオン)」を月周回軌道へと投入する。その他にも10個のキューブサット(小型人工衛星)が搭載され、NEA Scoutはそのうちの1機となる。

 NASAのマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)とジェット推進研究所(JPL)の共同プロジェクトとなるNEA Scoutは、ソーラーセイルを利用して小惑星まで飛行し、その詳細を撮影するというものだ。ソーラーセイルは太陽からの光の粒子の力をキャッチし、推進力として利用する。

 NEA Scoutは86m2のソーラーセイルを展開し、月の重力アシストを利用することで、2023年に小惑星「2020GE」へと接近する。2020GEは太陽を368日で1周する、約18mサイズの小惑星だ。同衛星には、小型の推進装置(スラスター)も搭載されている。

 NEA Scoutではソーラーセイルを利用することで、小型のキューブサットによる深宇宙ミッションの可能性を模索する。NASAによれば、「地球近傍小惑星に関する知識のギャップを埋めるのに役立つ」とアピールしている。

NEA Scoutのイメージ(出典:NASA/JPL-Caltech)
NEA Scoutのイメージ(出典:NASA/JPL-Caltech)

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