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「アルテミスI」打ち上げ、8月29日の予定で進行中–予備日は9月の2日と5日

2022.08.22 14:10

佐藤信彦

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 米航空宇宙局(NASA)は、月探査計画「Artemis(アルテミス)」の初のロケット打ち上げミッション「Artemis I」について、米東部夏時間(EDT)8月29日に実施する方向で作業を進めている。ロケットは発射台に到着済みで、打ち上げカウントダウンは8月27日午前10時23分に始める予定。

 Artemisは、月に宇宙飛行士を送り、月面探査などを実施する計画。初ミッションのArtemis Iでは、新型ロケット「Space Launch System(SLS)」で無人の宇宙船「Orion」を打ち上げて月軌道を周回させ、最終的に地球へ帰還させる。Artemis計画において、SLSとOrion、ケネディー宇宙センターの地上管制システムを初めて統合した形で実施する試験、という位置付けだ。

 Orionは無人で飛行するが、各種データ収集が目的の人形「Moonikin Campos」「Helga」「Zohar」と、「スヌーピー」「Shaun(ショーン)」が搭乗する。

 Artemis Iの打ち上げは、8月29日午前8時33分から2時間のあいだに行う。このタイミングで打ち上げると、Orionの帰還日は10月10日。

 8月29日に打ち上げられなかった場合、予備の打ち上げ日時は以下のとおり。時間帯はいずれもEDT。

  • 9月2日午後12時48分からの2時間、帰還日は10月11日
  • 9月5日午後5時12分からの1時間半、帰還日は10月17日

 Artemis IではOrionだけでなく、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と東京大学が開発した月着陸実証機「OMOTENASHI(おもてなし)」、ソーラーセイルを利用した探査機「Near-Earth Asteroid(NEA) Scout」、月の水を探すキューブサット(小型衛星)「Lunar IceCube」「Lunar Polar Hydrogen Mapper」、生物学実験衛星「BioSentinel」なども打ち上げられる。

Artemis Iで打ち上げられるOrionと10機のキューブサット(出典:NASA)

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