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米Vast、宇宙ステーション計画を発表–国際宇宙ステーションの後継競争に参入
米Vast Spaceはイタリア時間10月14日、国際宇宙ステーション(ISS)の後継となる民間宇宙ステーション「Haven-2」を発表した。
イタリア・ミラノで開かれた国際宇宙会議「International Astronautical Congress(IAC) 2024」に参加したVastは「我々は世界初の商業宇宙ステーション『Haven-1』を2025年に打ち上げる。Haven-2はモジュール式に開発され、ISSと同様に低軌道上で段階的に建築できる」と述べている。
Haven-2は最初に16フィート(約4.9m)ユニットを展開し、続いて3つのモジュールを2030~2032年に打ち上げる予定だ。Haven-2には幅41フィート(12.5m)の窓が設けられ、ロボットアーム、宇宙船の停泊機能、外部ペイロードのエアロック、船外活動用エアロックが設けられる。
「Vastによる設計は、容積、機能性、運用効率の点で、他のすべての宇宙ステーションの提案を上回ると予想される」と同社は説明している。
ISSは2030年の退役を予定しており、米航空宇宙局(NASA)はISSの後継となる民間宇宙ステーションを開発するプログラム「商用地球低軌道開発(Commercial Leo Development:CLD)」を主導している。同プログラムには、Axiom SpaceやBlue Origin、Starlab Spaceが参加している。Starlab Spaceは、Voyager SpaceとLockheed Martin、Airbus、Northrop Grumman、三菱商事などによる合弁会社。
CLDでは、2026年半ばにも2回目の選考が予定されている。Vastは2025年に打ち上げる予定のHaven-1を建設、運用することで同社の実力を実証することを目指す。Vastは、Haven-1でNASAから認定された後で「Haven-1を進化させた」というHaven-2の最初のモジュールを2028年までに軌道上で完全に運用する計画としている。
現在のISSは、日本実験棟「きぼう」が接続、活用されている。ポストISSでは、CLDで選考される宇宙ステーションに接続できる実験棟、「ポストきぼう」の概念検討も進められている。