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ウェッブ宇宙望遠鏡、観測画像を初公開–人類が初めて目にする最も鮮明な深宇宙

2022.07.13 13:19

佐藤信彦

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 米航空宇宙局(NASA)は、「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope:JWST)」で撮影した観測画像を初めて公開した。(フォトレポートはこちら

 ウェッブ宇宙望遠鏡は、NASAと欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)が共同運営している天体観測用の望遠鏡。2021年12月25日に打ち上げられ、望遠鏡を太陽の熱から守るサンシールドを展開しながら移動し、2022年1月24日に観測地点である太陽-地球系ラグランジュ点2(L2)付近の軌道に到着した。

 光学系を調整する作業の第一段階である主鏡調整を3月に完了。5月には、観測用のセンサーを含めた光学系全体の調整を終え、試験運用していた。

 試験運用中に流星塵(りゅうせいじん)が主鏡に衝突するアクシデントはあったが、衝突の影響は最小限にとどめられ、十分な観測精度を確保できているという。

 初公開した画像は、銀河団「SMACS 0723」を赤外線カメラで複数回撮影して合成し、疑似カラー化したもの。画角は、人間が手を伸ばした指先に載せた砂粒ほどと極めて狭いにもかかわらず、数千個もの銀河が捉えられているそうだ。一部銀河の形が歪んでいるのは、強大な銀河団の質量で生じた重力レンズの影響。

SMACS 0723(出典:NASA)
SMACS 0723(出典:NASA)

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