NASA、ISS運用延長の可能性示唆「2030年には何が起こっても不思議ではない」

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NASA、ISS運用延長の可能性示唆「2030年には何が起こっても不思議ではない」

2024.01.29 16:00

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の関係者は米国時間1月25日、国際宇宙ステーション(ISS)が2030年を超えて運用される可能性について触れた。2030年末までの運用が予定されているが、2030年以降の運用も検討されている。

 1998年から建設が開始され、ISSは現在も運用が続けられているが、当初の予定では運用は2016年までだった。そのために、耐用年数以上にISSは運用され続けていると指摘されている。

 NASAを含むISS計画に参加している各国は、2030年末までにISSを廃止すると決定しており、その後は民間企業が運用する商業宇宙ステーションに引き継がれる予定だ。

 Space Exploration Technologies(SpaceX)の「Crew Dragon」による、ISS乗員輸送ミッション「Crew-8」のライブストリーミングに登壇した、NASAで商業乗員輸送プログラム(Commercial Crew Program:CCP)のプログラムマネージャーを務めるSteve Stich氏は、「民間宇宙ステーションが準備できた時には、邪魔にならないようにISSは移動する」と述べた。一方で「2030年には何が起こっても不思議ではない」として、ISSの運用延長の可能性に触れた。

 運用延長には、ISSの状態だけでなく、資金的な課題がある。ISSを運用する各国は「Artemis」プログラムとして、高価な有人月探査ミッションにも参加している。一方で2028年にISS運用からの離脱を表明しているロシアのRoscosmosからは、ISSの運用延長の議論を歓迎する声が上がっている。

 ISSでは現在、日本実験棟「きぼう」が運用されている。ISS退役後に米国の商業宇宙ステーションに接続できる「きぼう」後継機について宇宙航空研究開発機構(JAXA)は概念検討を始めている

(出典:NASA)
(出典:NASA)

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