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ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、主鏡に流星塵が衝突–観測に支障なし
2022.06.10 15:02
米航空宇宙局(NASA)は、「James Webb Space Telescope(JWST、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)」の主鏡に流星塵(りゅうせいじん)が衝突したと発表した。ただし、今後の観測に支障はないという。
流星塵とは、宇宙を漂っている砂粒のような物質。地球の大気圏に突入すると、流星として観測される。
宇宙空間に浮かぶウェッブ宇宙望遠鏡が流星塵と衝突することは、どうしても避けられない。ある程度までの大きさの流星塵については、衝突に耐える設計も施してある。また、既知の流星群と遭遇すると予想される場合には、向きを変えるなどして衝突を未然に防ぐよう制御する。
5月23日から25日の間に発生した今回の衝突は、流星群と無関係な流星塵によるもので、予想できなかった。想定していたより大きかったため、耐えられなかったという。
調査したところ、観測データに衝突の影響は出ているものの、十分な観測精度が確保できているとした。そして、光学系を改めて調整したことで、影響は最小限にとどめられたそうだ。
現在ウェッブ宇宙望遠鏡は試験運用中で、完全な状態で撮影した画像と計測データを夏に初公開する予定。流星塵の衝突はあったが、このスケジュールに変更はない。