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NASAの原子力ドローンが土星タイタンを飛ぶ–進捗を公開、2027年以降に打ち上げ

2023.10.30 11:40

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は、土星の第6衛星であるTitan(タイタン)を探査するための原子力ドローン「Dragonfly」の開発進捗を公式サイトで公開した。

出典:NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben

 タイタンは土星の衛星の中で最も大きく、氷と岩石で構成されており、大気は主に窒素で構成、液体のメタンやエタンなどが存在している。

 Dragonflyの主な目的は、タイタンにおける複雑な化学反応を研究し、太陽系における生命の起源を解明することだ。同機は4つの回転翼とカメラ、センサー、サンプラーを搭載しており、タイタンの氷の下に存在する有機物を調査する。

 NASAは、同ミッションのために、バージニア州ハンプトンにあるラングレー研究センターで、遷音速力学トンネル(TDT)を使用したDragonflyの風洞試験を実施している。同試験でミッションチームは、タイタンの大気条件を模倣した環境での飛行システムをテストしている。

 また、Dragonflyは原子力発電によって飛行に必要な電力を得る。ミッションエンジニアのKen Hibbard氏は「ドラゴンフライによって、我々はSFを実際の探査活動に変えようとしている」と述べた。

 Dragonflyは、NASAのNew Frontiers Program(ニューフロンティアプログラム)の一環として、2027年以降に打ち上げられ、2030年代半ばにタイタンに到着する予定だ。

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