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月でも地震?–数十年ぶりにインド月面探査機チャンドラヤーン3号が観測
2023.09.12 13:11
インド月面探査機「Chandrayaan-3」(チャンドラヤーン3号)が、月の地震こと月震(げっしん)の証拠を数十年ぶりに観測した。
月震は、1969年から1977年にかけて実施されたアポロ計画で初めて観測された。これにより、月の内部が一様な岩石質ではなく、複雑な地質構造が存在することが判明した。
地球上の地震とは異なる原因で発生すると考えられている。具体的には地球との潮汐力や隕石の衝突、2週間におよぶ「月の夜」が明けて太陽の光が差し込んだ際の温度変化などだ。
また、月には地上の海や大気に相当する震動を吸収する要素がなく、揺れは数十分〜数時間にわたって持続する場合もある。
Chandrayaan-3の着陸船「Vikram」には、「地震活動観測装置(ILSA)」が搭載されており、この装置によって8月26日に月面の地震活動が検出された。ISROはこの現象の原因を調査中であるとコメントしている。
また、Chandrayaan-3のVikramと探査車「Pragyan」は太陽電池を動力としており、14日間の月の夜はスリープモードに入る。9月22日に月の南極に太陽の光が戻ると、両探査機は再始動を試みる予定である。
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