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JAXA、「XRISM」の正常を確認–今後3カ月で搭載機器の機能を確認
2023.09.11 16:45
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月11日、「X線分光撮像衛星(X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission:XRISM)」の「クリティカル運用期間」を終了すると発表した。XRISMは、9月7日午前8時42分11秒に種子島宇宙センターから「H-IIA」ロケット47号機で打ち上げられた。
XRISMからの信号は同日午前9時4分からハワイ局で受信し、衛星の太陽捕捉制御が正常に行われたことを確認している。同日午前10時24分から内之浦局で受信し、太陽電池パドルの展開についても完了したことを確認していた。
XRISMから受信したテレメトリーから太陽電池パドルで電力が発生していることや地上と通信できている状態、姿勢制御が正常であることを確認。XRISMに搭載されている「軟X線分光装置(Resolve)」の冷却システムが安定動作していることも確認された。
こうした状況からクリティカル運用期間を終了させる。クリティカル運用期間はロケットから分離後に、太陽電池パネルの展開や姿勢制御系を定常運用で使用する制御モードへの移行など衛星が安定して安全な状態を維持できるまでの期間を指している。
衛星全体、ミッションに活用される搭載機器の機能を確認するための「初期機能確認運用期間」への移行を決定。これから約3カ月間、衛星搭載機器の機能を確認する予定だという。
XRISMは、米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)が協力して2018年に開発された、JAXAの宇宙科学研究所(ISAS)にとって7番目のX線天文衛星計画。宇宙空間を吹き渡る高温ガスである「プラズマ」に含まれる元素や速度を測定することで恒星や銀河、銀河の集団で構成される大規模構造の成り立ちを調べる。
X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の後継であるXRISMは、ASTRO-Hの成果や研究の進展をもとに、広い視野を持つというX線撮像器と極低温に冷やされたX線分光器を搭載。こうした機器でプラズマに含まれる元素や速度を、これまでにない精度で測定するとしている。
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JAXAプレスリリース