Space quarters、超大型構造体を宇宙で建築する手法の検討業務を受注

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Space quarters、超大型構造体を宇宙で建築する手法の検討業務を受注

2023.09.05 15:40

佐藤信彦

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 Space quarters(東京都渋谷区)は、スカパーJSATが構想中の超大型宇宙構造体「Yamato」に関し、宇宙空間で建築する手法の検討業務を受注した。

 Space quartersは、宇宙空間で電子ビーム溶接を行い、宇宙ステーションのモジュールや大型アンテナなどの大型構造物を建設する技術の開発に取り組んでいる企業。現在は、宇宙空間で使用可能な電子ビーム溶接機と、それを動かすロボットシステムの開発を進めている。

 最高経営責任者(CEO)を務める大西正悟氏は、構造物の建材をロケットで打ち上げ、「軌道上で組み立てると、1度の打ち上げで既存の20倍の体積を確保できる」と説明する。

宇宙空間で電子ビーム溶接で大型構造物を建設(出典:Space quarters)
宇宙空間で電子ビーム溶接で大型構造物を建設(出典:Space quarters)

 スカパーJSATは、Yamatoを次世代の静止軌道上サービスで利用しようと考えている。Space Quartersの持つ電子ビーム溶接による宇宙建築技術を評価し、建築手法の検討を依頼した。

 これを受け、Space Quartersは、既存の宇宙建築技術や開発中の宇宙建築技術の技術成熟度や適応度の評価などを調査するほか、開発中の溶接システムによる施工方法を検討する。結果は2023年中に報告する予定。

 Space quartersの「宇宙溶接を用いたパネル接合型大型ステーションモジュールの建築」技術は、内閣府主催の宇宙活用ビジネスアイデアコンテスト「S-booster2022」で「スカパーJSAT賞」を受賞した。フランス国立宇宙センター(Centre national d’études spatiales:CNES)から研究プロジェクトを受託。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発型スタートアップ支援事業「SBIR推進プログラム」(一気通貫型)に採択という評価も得ている。

S-booster2022でスカパーJSAT賞に(出典:Space quarters)
S-booster2022でスカパーJSAT賞に(出典:Space quarters)

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Space quartersプレスリリース

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