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Space quarters、電子ビーム溶接の宇宙建築技術–仏政府宇宙機関から研究受託

2023.03.13 17:08

佐藤信彦

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 Space quarters(東京都渋谷区)は、同社が開発中の電子ビーム溶接技術を用いる宇宙空間向け建築技術について、フランス国立宇宙センター(Centre national d’études spatiales:CNES)から研究プロジェクトを受託した。

 Space quartersの取り組んでいる技術は、宇宙空間で電子ビーム溶接を行い、宇宙ステーションのモジュールや大型アンテナなどの大型構造物を建設することが目的。現在は、宇宙空間で使用可能な電子ビーム溶接機と、それを動かすロボットシステムの開発を進めている。

宇宙空間で電子ビーム溶接を使って大型構造物を建設(出典:Space quarters)
宇宙空間で電子ビーム溶接を使って大型構造物を建設(出典:Space quarters)

 CNESから受託した研究では、Space quartersの建築技術が持つ市場性、既存技術との比較などを行う。研究結果は2023年中に報告し、その後の連携強化を検討する。

 Space quartersの「宇宙溶接を用いたパネル接合型大型ステーションモジュールの建築」技術は、内閣府主催の宇宙活用ビジネスアイデアコンテスト「S-booster2022」で「スカパーJSAT賞」を受賞している。

S-booster2022でスカパーJSAT賞に(出典:Space quarters)
S-booster2022でスカパーJSAT賞に(出典:Space quarters)

 Space quartersは2022年6月設立。同社によると、国内の宇宙関連スタートアップが創業半年のタイミングで、フランス政府宇宙機関であるCNESから研究受託を受けることは日本の宇宙開発史上で最速の快挙と説明している。

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