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月面で建築資材を自給自足へ、NASAが米ICONに約79億円を提供

2022.12.01 10:30

塚本直樹

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 NASA (米航空宇宙局)は、テキサス州を拠点とするICONに対し、月建設システムの開発に対して5700万ドル(約79億円)の資金提供を実施すると発表した。

 ICONは月や火星で、現地の土砂や岩盤を利用した基地建設を実施するための技術を開発している。2018年には米国で初めて3Dプリント住宅を建設し、その後に米国とメキシコで住宅の引き渡しも行っている。

 今回発表されたNASAの契約では、ICONは月の重力下で月の土砂(レゴリス)がどのように振る舞うかをシミュレーションし、さらにApollo(アポロ)計画で持ち帰った本物のサンプルで実験する予定だ。

 ICONは2020年に「Project Olympus」を立ち上げており、月や火星での重要なインフラの建設に役立つとしている。さらに「Mars Dune Alpha」と呼ばれる3Dプリントされた火星向け住居のシミュレーションを行い、NASAが長期的ミッションに向けた宇宙飛行士の訓練に使用するプロトタイプを製作している。

 ICON創立者のJason Ballard(ジェイソン・バラード)氏は、「宇宙探査のパラダイムを『行って帰ってくる』から『そこに留まる』」へと変えるには、月や他の惑星の地域資源を利用できる、広域な能力を持つシステムが必要だ」と語っている。

(出典:ICON)

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