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インターステラ、次期ロケット「ZERO」のフェアリング分離試験に成功

2023.02.15 15:33

佐藤信彦

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 インターステラテクノロジズ(北海道大樹町)は、開発中の次期ロケット「ZERO」について、“フェアリング”分離放擲(ほうてき)試験が成功したと発表した。

 ZEROは、重量100kgまでの超小型衛星を地球周回軌道へ投入できるロケット。エンジンなどの中核技術を自社開発しているほか、設計から製造、試験、評価、打ち上げ運用までの全工程を自社で対応する。

 フェアリングは、ロケットの先端部に搭載された人工衛星などを覆い、保護するためのカバー。打ち上げ時の空気抵抗を減らし、高速飛行で生ずる熱などから人工衛星を守り、上空で空気が十分薄くなった後で左右2つに分かれ、機体から切り離される。インターステラとしては、初めて開発する部品だ。

ZEROの先端を構成するフェアリング(出典:インターステラ)
ZEROの先端を構成するフェアリング(出典:インターステラ)

 高さは3.6m、直径は1.7mあり、軽く強い炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製。火薬を使わない分離機構により、フェアリング分離時の衝撃を大幅に緩和できる「衛星に優しい設計」と説明する。

福島県南相馬市の「福島ロボットテストフィールド」で試験した(出典:インターステラ)
福島県南相馬市の「福島ロボットテストフィールド」で試験した(出典:インターステラ)

 今回の試験では、フェアリングの分離機構が正常に機能し、計画通りの挙動で機体から離脱することを確認できた。今後は、取得できた挙動の計測や解析に必要なデータを使い、実機モデルの設計と製造に着手する。

分離放てき試験の様子(出典:インターステラ公式Twitterアカウント)

 現在、ZEROは2024年度に打ち上げる予定。この目標に向け、燃焼試験胴体設計の確認ジンバルの性能確認などに取り組んでいる。

 並行して、ZERO対応の新射場「Launch Complex-1(LC-1)」も建設中。

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