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インターステラ、小型ロケット「ZERO」胴体部分の設計妥当性を確認

2022.10.27 15:45

飯塚直

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 インターステラテクノロジズ(北海道大樹町)は10月27日、超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の機体胴体の構造部エンジニアリングモデル(EM)試験を実施したと発表した。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 調布航空宇宙センター飛行場分室(東京都三鷹市)で実施。同試験で得られたデータをもとに、実機モデルを設計、製造する。

 ZEROの機体胴体では、軽量で成形性に優れたアルミのコア材を炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で挟むサンドイッチ構造を採用。試験では、実機と同じ直径1.7mサイズの構造部EM2種を製造し、打ち上げの負荷に耐えうる強度と剛性(変形のしにくさ)があるか、設計の妥当性を確認したという。

胴体構造EM強度剛性試験の様子(出典:インターステラ)
胴体構造EM強度剛性試験の様子(出典:インターステラ)

 同社では、60kN級エンジンの重要部品のひとつであるガスジェネレータ(ガス発生器)の実機モデルで燃焼試験を成功させている。エンジンの他の部品と組み合わせた複数の試験を経て、2023年度のエンジン統合試験を予定するなど、1機あたり6億円以下という圧倒的な低価格を目指すZEROの開発を進めている。

 開発が本格化しているZEROは、長さ25m、直径1.7m、総重量33tであり、超小型人工衛星を打ち上げるための小型ロケット。その前身と言える観測ロケット「MOMO」は、国内民間企業単独として初めてかつ、唯一となる宇宙空間到達を達成させているという。

 同社は、宇宙への圧倒的に低価格で便利な宇宙へのインフラを構築し、誰もが宇宙に手が届く未来の実現を目指すスタートアップ企業。東京支社と福島支社、室蘭技術研究所(室蘭工業大学内)の4拠点で開発を進めている。

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