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月面探査ロボット「YAOKI」開発のダイモン、米企業と契約–2023年後半に月面へ

2023.01.06 15:22

飯塚直

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 超小型で超軽量という月面探査ロボット「YAOKI」を開発し、月開発に向けた事業「Project YAOKI」を進めているダイモン(東京都大田区)は1月6日、月着陸船を開発している米Intuitive Machinesと月輸送に関する契約を締結したと発表した。2023年後半に予定されているIntuitive Machinesの2回目の月輸送ミッションに搭載される。

 YAOKIは、二輪方式を採用し、超軽量かつ小型であることが特徴で、従来の小型探査車に対し、重量で10分の1(現在498g)、大きさで50分の1(15×15×10cm)を達成しているという。1kgあたり1億円以上かかるといわれる月への輸送費を大幅に節減している。

 センサーやモーター、バッテリー、通信機などロボットに必要なさまざまな要素技術を搭載し、月面での実証実験が可能と利点を解説。YAOKIを活用することで、より多くの企業が月開発に参入するための月面での稼働実績が得られると説明する。

YAOKI(出典:ダイモン)
YAOKI(出典:ダイモン)

 ダイモンは、継続的に複数台の機体を月に送り込めるように、月輸送サービスを提供する企業と交渉を進めており、2019年には米Astrobotic Technologyとの契約を締結。今回は、Intuitive Machinesとの契約を締結した。

 今回の契約では、Intuitive Machinesが開発する月着陸船「Nova-C」にYAOKIを搭載し、2023年後半に月の南極へと送り込む予定。ロケットは、Space Exploration Technologies(Space X)の「Falcon 9」を利用。着地場所は、月の南極付近となっている。

 月面着陸後、YAOKIは地球からのリモート操作で月面を走行、月表面の接写画像データを獲得など、超小型ロボットによる月面運用を実施していく。

 YAOKIは、1回目の打ち上げで内臓バッテリー駆動で確実な月面稼働の実績を得て、2回目の打ち上げで月面で充電することで長期的な稼動を計画している。

月着陸船Nova-Cと月面探査ロボットYAOKI(出典:Intuitive Machines)
月着陸船Nova-Cと月面探査ロボットYAOKI(出典:Intuitive Machines)

 今回の契約締結に伴い、Project YAOKIの一部を見直す。米航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)の第1弾(CLPS-1)において、Astrobotic Technologyの月着陸船「Peregrine」にYAOKIを乗せ、月に送り込む計画については、次回以降のミッションへとスライドすることを決定している。

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