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東京海上日動、月面探査ミッション専用の「月保険」を開発

2022.04.25 17:54

鈴木悠斗

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 東京海上日動火災保険は4月21日、国際宇宙保険を手がける英Beazleyと共同で、月面探査ミッション専用保険「月保険(Lunar Insurance)」を開発したと発表した。同社によると、月面探査は未知のリスクと対峙するミッションで、これまで専用の保険は存在しなかったという。

 月面探査ローバーによる月面探査ミッション用保険で、月面探査ローバーの故障や通信トラブルにより、予定していた月面探査のミッションを達成できない場合、月面までの輸送費用や月面探査ローバーの製造費用などを補償する。

 月保険は、東京海上日動が2月に発表した宇宙プロジェクト(PDF)の一環となる。世界で初めて民間企業による月面探査が2022年中に計画されており、日本の宇宙事業者も参画を予定している。同社は、民間企業による月面探査を支援するため、宇宙保険のノウハウを活用し、月保険を開発したと経緯を説明する。

 東京海上日動は、この月保険を、民間企業による月面探査を目指すダイモンの月面探査ミッション「Project YAOKI」に提供する。同社とダイモンは、2021年にパートナーシップ契約を締結しており、Beazleyを含めた3社で月面探査ミッションに関する共同研究を進め、商品開発に至ったという。

 同社は今後、宇宙分野におけるリスクの研究を続け、民間企業による宇宙分野への新たな挑戦を支援する保険商品の開発や、リスクコンサルティングの提供を行う方針。

 なお、同日となる4月21日には、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」などを手がけるispaceが、三井住友海上火災保険と「月保険」の組成について覚書を締結したことを発表。HAKUTO-Rの打ち上げから月面着陸までをシームレスに補償する月保険の条件を2022年中に確定させる予定だという。

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