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米アストロボティック、月面小型探査機を開発–カナダのソフトウェア企業と提携
2024.04.11 07:30
米Astrobotic Technologyは米国時間4月8日、宇宙向けソフトウェアを開発するカナダのMission Control Space Services(MSCC)と提携し、次期月着陸ミッションの小型探査機の開発に取り組むと発表した。
Astroboticは1月、月着陸船(ランダー)「Peregrine」を打ち上げた。月面着陸には失敗したが、同社はすでに次期ランダー「Griffin-1」の開発に取り組んでいる。
Griffin-1は、Peregrineと同様に、月に探査機などの貨物(ペイロード)の輸送を米航空宇宙局(NASA)が民間企業に委託する「商業月面輸送サービス(CLPS)」として運ぶ。
AstroboticはMSCCの「Spacefarer」ソフトウェアを使用し、探査機(ローバー)「CubeRover」を運用する。CubeRoverは2024年後半にも打ち上げられるGriffin-1に搭載され、月に向かう。CubeRoverは靴箱ほどの大きさで、半自律航法や撮影画像の分析など、Spacefarerのソフトウェア機能を実証する。
Griffin-1はCubeRoverだけでなく、NASAが開発した、月の南極地域を走行し、氷が最も多く存在すると考えられる場所のデータを収集するローバー「Volatiles Investigating Polar Exploration Rover(VIPER)」も搭載する予定だ。MSCCの人工知能(AI)フライトコンピューターは、日本のispaceの民間月探査プログラム「HAKUTO-R」のミッション1にも搭載されていたが、ランダーは2023年4月に着陸寸前で月面に落下し失われた。