民間初を目指す「ペレグリン」、月着陸を断念--推進剤を喪失、充電できず

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民間初を目指す「ペレグリン」、月着陸を断念–推進剤を喪失、充電できず

2024.01.10 15:45

塚本直樹

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 米Astrobotic Technologyは米国時間1月9日、月着陸船「Peregrine」(ペレグリン)の推進剤が漏洩しており、月に軟着陸する可能性はないと明かした。

 Peregrineは米航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービス(CLPS)の一環として、民間初の月面着陸が期待されていた。1月8日にUnited Launch Alliance(ULA)の新型ロケット「Vulcan Centaur」で打ち上げられたが、直後に機体の異常が報告されていた。

 Astroboticによれば、Peregrineは推進剤の多くを失ったことにより、太陽電池パネルを充電するために適切な姿勢を取ることができないという。残った推進剤で約40時間分の活動が可能で、これにより次の月着陸船「Griffin」(グリフィン)のためのデータ取得を続けるとしている。

 Griffinは2024年後半にSpace Exploration Technologies(SpaceX)の「Falcon 9」ロケットで月へと打ち上げられる。GriffinはNASAの氷探査機「VIPER」を月の南極付近へと輸送する予定だ。

Peregrineが撮影した画像(出典:Astrobotic)
Peregrineが撮影した画像(出典:Astrobotic)

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