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ISS「きぼう」でドローンのプログラミング競技会、軌道上決勝が10月21日開催
2023.10.17 08:00
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、第4回「きぼう」ロボットプログラミング競技会の軌道上決勝大会を10月21日に開催する。決勝の様子はYouTubeの「JAXA channel」で午後1時から配信する予定。
きぼうロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge: Kibo-RPC)は、国際宇宙ステーション(ISS)に接続されている日本実験棟(Japanese Experiment Module:JEM)「きぼう」やISSの内部で稼働するドローン「JEM自律移動型船内カメラ(Int-Ball)」(JAXA)と「Astrobee」(米航空宇宙局=NASA)をプログラミングすることでさまざまな課題を解決するという教育プログラム。
日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム(JP-US OP3)を通じた日米協力に基づいて、JAXAとNASAが協力して取り組んでいる活動。アジア太平洋地域でのきぼう利用の促進とSDGsへの貢献(人材育成)を目的に、同地域の学生に宇宙でのロボット操作やコンピュータープログラミングに関する教育機会を提供している。
軌道上決勝大会では、参加する国や地域の代表学生たちが作成したプログラムを軌道上のAstrobee実機にインストールして自律飛行させ、その戦略と技術力を競う。
参加するのは、日本(チーム名:Eager Hoper)のほか、アメリカ合衆国(チーム名:Team Salcedo)、オーストラリア(チーム名:Dream Rover)、UNOOSA(国連宇宙部、チーム名:ORION)など全10チーム。以下が決勝に参加するチーム。
国・地域 | チーム名 |
---|---|
オーストラリア | Dream Rover |
バングラデシュ | Team Paragon |
日本 | Eager Hoper |
マレーシア | Zetsubo |
シンガポール | SST 1 |
台湾 | Flying Unicorns |
タイ | Galactic4 |
UAE | AUS-IEEE-RAS |
アメリカ合衆国 | Team Salcedo |
UNOOSA(国連宇宙部) | ORION |
第4回のシナリオは以下の通り(フィクション)。
2022年に発生した宇宙ゴミ(スペースデブリ)の衝突による空気漏れ(エアリーク)は、優秀な学生プログラマーの手によって修復され、ISSにも平和が戻った。
しかし、2023年、きぼうの制御装置から、船外制御システムの冷媒として使用されるアンモニアが船内に漏入したことが疑われるデータが確認された。リーク箇所は冷却水配管内の圧力上昇により経時的にランダムに増えていった。
Astrobeeのレーザー照射によりリーク箇所を修復せよ!
https://jaxa.krpc.jp/ja
ゲームのルールは以下の通り。
- ゲーム開始時に、きぼう船内に複数設置されたターゲットの内のいくつかが有効になる
- 有効になっているターゲットの前にAstrobeeを移動し、レーザーを照射する
- 別の有効になっているターゲットの前にAstrobeeを移動し、レーザーを照射する
- 有効なターゲットのすべてにレーザーを照射すると、有効なターゲットが切り替わる。また、すべてにレーザーを照射しなくとも、一定時間経過することで自動で有効なターゲットは切り替わる
- 新たに有効になったターゲットの前にAstrobeeを移動し、レーザーを照射する。2~4をできるだけ多く繰り返すをできるだけ多く繰り返す
- 制限時間以内にAstrobeeをゴールに移動させ、クルーにミッション完了を報告する。スコアはターゲットへのレーザー照射と、残り時間によって計算される
第1回は2020年に開催。7つの国と地域から313チーム1168人が参加。第2回は2021年に開催。11の国と地域から286チーム905人が参加。第3回は2022年に開催。12の国と地域から351チーム1431人が参加している。
関連リンク
JAXA案内
Kibo-RPC公式ウェブサイト
JAXA公式YouTubeチャンネル「JAXA channel」