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NASA、火星で起きた日食のビデオを公開–探査機「Perseverance」が撮影
2022.04.22 14:50
米航空宇宙局(NASA)は、火星表面で撮影した日食のビデオを公開した。
この日食は、火星から見た太陽の前面を、火星の衛星「フォボス」が横切って発生したもの。地球で観測される日食は、太陽の前面を月が通過することで起きる。撮影には、火星探査機「Perseverance(パーシビアランス)」に搭載している「Mastcam-Z」カメラを使った。
フォボスは、地球の月と違って球形でなくジャガイモのような形をしているため、太陽を隠す影も円形でない。また、影が小さいため太陽全体を隠すことができず、地球で見る金環日食のような形状になる。持続時間も40秒程度と短い。
火星での日食は、2004年に「Spirit(スピリット)」「Opportunity(オポチュニティ)」、2019年に「Curiosity(キュリオシティ)」でも撮影した。ただし、今回Perseveranceで撮影したものが、最も高いフレームレートで、最も大きく観測できたそうだ。
火星での日食を継続的に観測すると、フォボスの火星周回軌道を詳細に捉え、その変化を知ることができる。そして、こうした軌道のデータは、潮汐力が火星の地殻とマントルに与える影響を把握し、特性や組成の研究に役立つという。