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「宇宙太陽光発電」、電力の無線伝送に成功–地上での検出にも成功
2023.06.06 15:56
カリフォルニア工科大学(Caltech)は、「宇宙太陽光発電」の可能性を検証する取り組みで地球周回軌道でエネルギーの無線伝送が可能なことを確認した。地上への伝送実験にも成功したという。
宇宙太陽光発電とは、地球の周囲を回る人工衛星に搭載した太陽光発電パネルで電力を作り、そのエネルギーをマイクロ波で地上へ無線伝送する技術。天候や季節に左右されず、安定した発電が可能と考えられる。
Caltechは、研究プロジェクト「Space Solar Power Project(SSPP)」で2023年1月に初の実験衛星「Space Solar Power Demonstrator 1(SSPD-1)」を打ち上げ、技術を検証してきた。
その結果、エネルギーを送り出すアンテナのようなデバイス「Microwave Array for Power-transfer Low-orbit Experiment(MAPLE)」で、狙った方向へ無線伝送できることを確認できた。地上へのエネルギー伝送も実験し、地上施設でエネルギーの検出に成功した。
同様の研究は、中国の宇宙開発当局やNorthrop Grumman、欧州宇宙機関(ESA)も進めている。日本も2025年以降の試験衛星打ち上げを計画している。