ニュース

宇宙太陽光発電の可能性を検証開始、衛星を軌道に投入–カリフォルニア工科大

2023.01.13 16:44

佐藤信彦

facebook X(旧Twitter) line

 カリフォルニア工科大学(Caltech)は、宇宙太陽光発電の可能性を検証するため、実験衛星「Space Solar Power Demonstrator(SSPD)」を打ち上げて地球周回軌道へ投入した。

 宇宙太陽光発電とは、地球の周囲を回る人工衛星に搭載した太陽光発電パネルで電力を作り、そのエネルギーをマイクロ波で地上へ無線伝送する技術。天候や季節に左右されず、安定した発電が可能と考えられる。Caltechは、Space Solar Power Project(SSPP)を通じ、研究に取り組んできた。

SSPDの構成要素(出典:Caltech)

 SSPDは、Space Exploration Technologies(SpaceX)の「Falcon 9」ロケットで米太平洋標準時(PT)1月3日に打ち上げられ、予定の軌道に投入された。軌道上での試験は数週間中に開始し、どのタイプの発電パネルが宇宙発電に適しているかなどの実験を行う。結果が得られるのは、数カ月後と見込む。

 最終的に実用化できれば、発電衛星コンステレーションを構築し、安定した電力確保が難しい地域などへ必要に応じて電力を供給する、としている。

組み立て中のSSPD(出典:Caltech)
エネルギーを地上へ送るためのアンテナ(出典:Caltech)

  同様の研究は、Northrop Grummanも取り組んでいる

SSPDの解説(出典:Caltech/YouTube)
宇宙から地上へエネルギーを伝える方法(出典:Caltech/YouTube)



Related Articles