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アストロスケールとJAXA、衛星への燃料補給サービスで共創

2022.12.07 14:32

飯塚直

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とアストロスケールホールディングス(東京都墨田区)の100%子会社であるアストロスケール(東京都墨田区)は12月7日、「衛星への燃料補給サービス」に関するコンセプト共創活動を開始したと発表した。

 宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)の実現に向けて、約1年間にわたり「衛星への燃料補給サービス」の事業コンセプトを共創する。

 宇宙ビジネスを目指す民間事業者などとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術を開発、実証して、新しい事業を創出する共創型研究開発プログラム「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ」(J-SPARC)の枠組みで進める。

 軌道上での燃料補給を前提に開発された衛星だけでなく、そのような設計が施されていない衛星に対しても、軌道上での燃料補給ができるミッションコンセプトを検討するという。

 アストロスケールは、宇宙ゴミ(スペースデブリ)を除去する技術実証衛星(End-of-Life Services by Astroscale – demonstration:ELSA-d)ミッションでの実証成果を補給対象衛星へのランデブ・近傍運用(Rendezvous and Proximity Operations Technologies:RPO)に応用するほか、開発を進めている宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンド技術を燃料補給作業へと適用。「衛星への燃料補給サービス」の事業性や海外拠点との国際連携を見据えて検討する。

 JAXAでは、軌道上での燃料補給システムや補給技術を評価するための地上試験装置の技術的実現性を検討。将来研究に活用するとともに、それらを通じた技術的知見や技術アドバイスを提供する。

 地球周回軌道は衛星やデブリの増加により混雑化が加速しており、このままでは長期的に軌道を利活用していくことは困難になると考えられている。

 こうした問題を解決し、スペースサステナビリティを実現するためには、使い捨てを前提とした衛星やロケット開発から脱却し、削減(reduce)、再利用(reuse)、修理(repair)、燃料補給(refuel)、除去(remove)といった循環型経済を宇宙空間で実現することが重要としている。

アストロスケールとJAXAの役割(出典:アストロスケール/JAXA)
アストロスケールとJAXAの役割(出典:アストロスケール/JAXA)

 軌道上サービスのひとつである燃料補給サービスは、衛星運用者にとっては、衛星の寿命を延長することで衛星機数や打ち上げ回数を低減するうえに、費用低減効果があり、新たな収益につながると予測されている。燃料の制約を取り払うことで、衛星1機ごとのミッションの範囲や柔軟性を拡大することも可能になるとしている。

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