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AstroscaleとOrbit Fab、寿命延長衛星への燃料補給契約を締結

2022.01.12 19:22

田中好伸(編集部)

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 アストロスケールホールディングス(HD、東京都墨田区)のグループ会社Astroscale U.S.(米コロラド州デンバー)とOrbit Fab(米カリフォルニア州サンフランシスコ)は地球静止軌道(GEO)でアストロスケールの寿命延長衛星(Life eXtension In-Orbit:LEXI)に燃料を補給する商業契約を締結した。1月11日に発表した。

 LEXIは、Orbit Fabによる燃料補給の契約を締結した最初の衛星という。アストロスケールHDは宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去を含む軌道上サービスに、Orbit Fabは軌道上での燃料を補給する“宇宙のガソリンスタンド”にそれぞれ取り組んでいる。

 今回の契約は、Orbit FabのGEO燃料運搬船がLEXIに最大1トンのキセノン推進剤を補給するというもの。軌道上でのLEXIのサービスミッションの範囲や柔軟性を拡大させられるとしている。

 LEXIは、2026年までにGEOへ打ち上げ予定であり、政府機関や民間企業が運用する衛星に寿命延長サービスを提供する。LEXIの主要サービスは、ステーションキーピング(軌道維持)や姿勢制御、傾斜の修正、GEO内でのリロケーション、墓場軌道への廃棄などを含んでいる。

 Astroscale U.S.は、LEXIのランデブーやドッキングの技術開発を続けるとともに、宇宙空間でOrbit Fabによる燃料補給を可能にする「迅速に着脱可能な燃料移送インターフェース(Rapidly Attachable Fluid Transfer Interface:RAFTI)」を同衛星へ搭載するために協力しているという。

 今回の契約は、固定価格で燃料を提供しアストロスケールがその燃料を購入する、宇宙産業にとって初という“テイク・オア・ペイ”方式を採用し、サービスの提供前に契約の一部を収益化できるため、燃料タンカーと燃料運搬船のネットワークを迅速に構築できるとしている。

 Orbit Fabは、今後5~10年以内に数十の燃料タンカーと燃料運搬船を打ち上げ、地球低軌道(LEO)、GEO、地球と月の間の衛星コンステレーションの近くに配備する予定。アストロスケールとOrbit Fabは、運用中の衛星にタンカーから直接燃料を転送するなど、軌道上サービス市場を拡大するための機会を模索していると説明。Orbit Fabの最初の2つの燃料シャトルは2023年にLEOで試運転される予定。


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