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11月8日に皆既月食と天王星食が同時発生–皆既月食中の惑星食は数百年に一度

2022.11.04 16:00

佐藤信彦

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 国立天文台(NAOJ)によると、11月8日の夜に全国各地で観測可能な皆既月食が起きる。しかも、この月食中に、月が天王星を隠す天王星食も同時に観測できる。NAOJは、月食と天王星食のようすをライブ配信する予定。

東京で見える様子(出典:国立天文台)
東京で見える様子(出典:国立天文台)

 月食は、太陽の光を反射して輝いている月が地球の作る影に入ることで欠けて見える現象。特に、月全体が影に入って全体が暗くなる現象を皆既月食と呼ぶ。影に入っても、月には地球の大気を通って屈折した光があたるため、真っ黒くはならず、暗い赤色に染まって見える。

 天王星食は、月が天王星の前を横切ることで、天王星を隠す現象。今回の天王星食は、小笠原諸島を除く日本のほとんどの場所で観測できる。

 皆既食中に天王星食などの惑星食が起こるのは極めて珍しいそうだ。日本で同様の現象を前回観測できたのは、1580年7月26日の土星食。次に起きるのは、2344年7月26日の土星食。

 今回の月食は、11月8日の午後6時9分に欠け始め、午後7時16分に皆既食となる。月が地球の影の中心に最も近づく最大食は、午後7時59分。その後、午後8時42分に月が影から抜け始め、午後9時49分に月食が終わる。

月食の進行時刻(出典:国立天文台)
月食の進行時刻(出典:国立天文台)

 天王星食の進行時刻は、地域によって異なり、たとえば札幌では午後8時49分、東京では午後8時41分、福岡では午後8時22分、那覇では午後8時13分に始まる。したがって、多くの地域で皆既月食中に天王星の潜入を見られる。天王星の明るさは約6等級で、肉眼で見ることは難しい。双眼鏡や望遠鏡を使って観測しよう。

地域によって異なる天王星食の進行時刻(出典:国立天文台)
地域によって異なる天王星食の進行時刻(出典:国立天文台)

 国立天文台は、月食と天王星食の様子を当日の午後6時から午後10時までYouTubeニコニコ生放送でライブ配信する。

今回の皆既月食と天王星食の解説(出典:国立天文台/YouTube)
YouTubeでのライブ配信(出典:国立天文台/YouTube)

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