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「宇宙監視望遠鏡」、豪で運用開始–深宇宙の天体を監視、衝突の可能性を予測

2022.10.05 08:30

塚本直樹

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 オーストラリア国防省は現地時間9月30日、米国が開発した宇宙監視用望遠鏡「The Space Surveillance Telescope(SST)」の運用を開始した。同日に発表された。

 SSTの目的は、深宇宙の天体を監視して衝突の可能性を予測、回避することだ。小惑星や彗星を検出したり、静止軌道上の衛星を撮影したりすることもできる。

 SSTは米国とオーストラリア、そして同盟国が軌道上の物体を追跡するために利用しているネットワークに加わることとなる。オーストラリア空軍は米宇宙軍のSpace Delta 2部隊と連携し、同宇宙望遠鏡を運用する。

(出典:CPL David Cotton / Australian Department of Defence)
(出典:CPL David Cotton / Australian Department of Defence)

 SSTの所有権は米国が保有し、オーストラリアは望遠鏡の設置場所とインフラ建設、運用と訓練を担当する。もともとはニューメキシコ州のホワイトサンズ・ミサイル発射場への建設が予定されていたが、2013年に西オーストラリアのHarold E. Holt海軍通信基地への移転が決定された。

 オーストラリアの国防宇宙軍トップを務める空軍副司令官のCath Roberts氏は「SSTは宇宙領域に対する認識を高め、同盟強化に貢献する」と語っている。同望遠鏡の運用を支えるインフラについても「望遠鏡同様に画期的で、国防とオーストラリア産業界による重要な成果を意味する」と述べている。

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