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宇宙往還が可能な輸送システム開発目指す将来宇宙輸送システム、3億円を調達

2022.09.01 16:55

飯塚直

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 宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指すスタートアップ、将来宇宙輸送システム(東京都港区)は9月1日、インキュベイトファンド(東京都港区)を引受先とする第三者割当増資で3億円の資金調達を実施したと発表した。

 将来宇宙輸送システムは、一般社団法人の宇宙旅客輸送推進協議会(SLA)の検討を踏まえ、「誰もが宇宙にアクセスできる時代を創る」ことをビジョンに掲げ、宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指すスタートアップ企業として設立。

 今回調達した資金は、単段式の「完全再使用型宇宙往還機(Single Stage To Orbit:SSTO)」の実現に必要な技術課題の洗い出しや抜本的な低コスト化、有人宇宙輸送技術の検討を行った上での二地点間高速輸送、宇宙旅行など、将来の宇宙輸送サービス提供に向けた事業計画の検討に活用するという。

 代表取締役の畑田康二郎氏は2004年に京都大学大学院エネルギー科学研究科(修士課程)を修了後、経済産業省に入省。エネルギー政策や産業政策などに従事した後、2012年に外務省に出向して、欧州連合日本政府代表部と在ベルギー日本国大使館に勤務。

 2015年に内閣府 宇宙開発戦略推進事務局に出向し、「宇宙活動法」の制定、「宇宙産業ビジョン2030」の策定、宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster」の創設など民間宇宙ビジネス拡大に貢献したという。

 2017年に経済産業省に帰任し、新たなスタートアップ支援プログラム「J-Startup」を創設。2018年に経済産業省を退職してデジタルハーツホールディングスに入社し、サイバーセキュリティ人材の発掘や育成のプログラムの立ち上げなどに従事し、2019年にデジタルハーツプラスを設立。2022年5月に将来宇宙輸送システムを創業し、代表取締役に就任した。

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