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アイザックマン氏、NASA長官に一歩近づく–米上院本会議で指名承認へ
Jared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏が米航空宇宙局(NASA)長官に一歩近づいた。
米連邦議会上院の商業・科学・運輸委員会は米国時間4月30日、Isaacman氏の指名承認を本会議に進める決議を採択した。結果は賛成19票、反対9票だったが、一部の議員は条件付きで賛成票を投じた。
Isaacman氏は、4月9日に開かれた承認公聴会でNASAの既存プログラムへの継続的な支持を表明し、有人火星探査といった将来的なビジョンにも言及している。一方で、政府機関の大幅な予算縮小を目指す現政権の方針に協力する姿勢も示した。対中国の方針として「宇宙におけるアメリカの優位性」の重要性を繰り返し強調している。
本会議でNASA長官への就任が承認されれば、Isaacman氏は自身の民間人による有人宇宙飛行計画「Polaris」(ポラリス)を一時中断する必要がある。Polarisの今後のミッションのうち少なくとも1つは、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の「Starship」(スターシップ)による初の有人飛行になる予定。
2023年12月にNASA次期長官に指名されたIsaacman氏は前長官のBill Nelson氏の後任、現在の長官代行であるJanet Petro(ジャネット・ペトロ)氏から職務を引き継ぐことになる。
米メディアSpace.comによると、Isaacman氏は、決済処理を手掛けるShift4 Paymentsを1999年に創業し、巨額の富を築いたという。その富を生かして政府機関や民間に戦闘機のサービスと訓練を提供するDraken Internationalを2011年に設立した。
その後、SpaceXの2回の宇宙飛行(「Inspiration4」とPolarisの第1弾である「Polaris Dawn」)にコマンダー(船長)として搭乗した。これらのSpaceXミッションを通じて、同氏は小児科病院への2億5000万ドル以上の資金調達に貢献した。
