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スペースX、ISS軌道離脱用宇宙船を発表–「ドラゴン」を大型化、エンジンは3倍
米Space Exploration Technologies(SpaceX)は米国時間7月17日、国際宇宙ステーション(ISS)を軌道から離脱させるための宇宙船として超大型版「Dragon」を発表した。海外メディアのSpace.comが報じている。
ISSは2030年までの運用が予定されており、その後は軌道から離脱し大気圏で燃え尽きることになる。米航空宇宙局(NASA)は、ISSの「軌道離脱機」の開発にSpaceXを選定したと6月に発表した。
超大型版のDragonはより大きなトランクと、46基の「Draco」エンジンを搭載。これは、通常のDragonに搭載された16基の3倍近いエンジン数となる。SpaceXでDragonミッションマネジメントディレクターを務めるSarah Walker氏によれば、超大型版のDragonは22〜26基のエンジンを同時に噴射することで、秒速57m(時速205.2km)に達するという。
「この宇宙船の設計は(ISSに物資を輸送する無人)宇宙船『Cargo Dragon』をベースにしており、ミッションを完遂するために調整された推進剤タンクやエンジン、航空電子機器、発電、熱機器を収容する強化されたトランク部分を備えている」と、Walker氏は述べている。
ISSの大きさは横幅約108m、奥行き約70mでサッカー場と同じ。重さは約402t。
ISSは2030年末までの運用が予定されており、2031年1月以降に軌道から離脱、大気圏に突入させて燃え尽きる計画。民間企業による宇宙ステーションへの引き継ぎが終わるまで2031年以降も運用される可能性があることをNASAは明らかにしている。
現在は複数社が民間宇宙ステーションを開発しており、Axiom Spaceの「Axiom Station」、Blue OriginとSierra Space、Boeing、Amazonが共同で進める「Orbital Reef」、Voyager SpaceやLockheed Martin、Airbusなどが進める「Starlab」などがある。