NASAの「宇宙ヨット」が打ち上げ--太陽の光を反射、推進剤なしに宇宙を航行

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NASAの「宇宙ヨット」打ち上げ成功–太陽光の輻射圧を推進力として航行

2024.04.24 13:30

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 Rocket Labは米国時間4月23日、米航空宇宙局(NASA)の宇宙ヨットなどを搭載した「Electron」ロケットを打ち上げた。

 宇宙ヨットとも呼ばれる「太陽帆(ソーラーセイル)」は、太陽からの光の粒子「光子」を受け反射することで、推進力を生み出す。光の粒子は質量を持たないが、ソーラーセイル上の素材による反射で生じる反作用が推力となる。

 化学推進や電気推進と違い、推進剤なしに宇宙を航行できるものとして注目されている。太陽光を宇宙機の推進力とする技術で、効率的な飛行の実現が期待されている。日本の「IKAROS」や惑星協会の「LightSail 2」でも、実証実験が行われた。

 ニュージーランドの射場から打ち上げられたElectronには、NASAのソーラーセイル宇宙機「Advanced Composite Solar Sail System(ACS3)」が搭載されていた。これは一辺が約9mのソーラーセイルで、地球低軌道(LEO)で支柱の展開がテストされる。

ACS3の大きさは23cm×23cm×34cm。電子レンジとほぼ同じ(出典:AST&Defense)
ACS3の大きさは23cm×23cm×34cm。電子レンジとほぼ同じ(出典:AST&Defense)

 Rocket Labは今回の打ち上げについて、「デモンストレーション中に得られた飛行データは、宇宙気象の早期警戒衛星や小天体の偵察ミッション、将来の大規模複合ソーラーセイルシステムの設計に使用される予定だ」と述べている。

NASAラングレー研究所のエンジニアが、ACS3のソーラーセイルの展開をテストしている。展開されたソーラーセイルは一辺が約9m。太陽輻射圧は小さいため、効率よく推力を発生させるためにはソーラーセイルは大きくなければならない(出典:NASA)
NASAラングレー研究所のエンジニアが、ACS3のソーラーセイルの展開をテストしている。展開されたソーラーセイルは一辺が約9m。太陽輻射圧は小さいため、効率よく推力を発生させるためにはソーラーセイルは大きくなければならない(出典:NASA)

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