NASAの火星サンプルリターン計画、米下院で公聴会--見直しの最新状況を提供せず

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NASAの火星サンプルリターン計画、米下院で公聴会–見直しの最新状況を提供せず

2024.04.01 07:00

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の火星からのサンプルリターン計画「Mars Sample Returen(MSR)」の遅延とコスト超過が、米連邦議会下院の公聴会で議題となった。海外メディアのSpaceNewsで報じられた

 MSRは、現在で火星で稼働している探査車(ローバー)「Perseverance」で集めた火星の試料(サンプル)を着陸機と上昇機で打ち上げ、探査機(オービター)とドッキングし、地球に持ち帰る計画だ。予算の膨張が問題となっており、現時点でもその予算は確約されていない

 下院科学宇宙技術委員会(House committee on Science, Space and Technology:HSST)の航空宇宙小委員会(Subcommittee on Space and Aeronautics)で3月21日に開かれた公聴会では、MSRの遅延とコスト超過に多くの時間が割かれた。公聴会に出席したNASA 科学ミッション本部 副本部長のNicola Fox氏は、MSRの再構築について、最新状況をほとんど提供しなかった。

 カリフォルニア州選出の下院議員Mike Garcia氏(共和党)は、2023年11月にNASAがMSRへの支出を引き下げたことに関して「不意打ちを食らった」と批判。ジェット推進研究所(JPL)が職員の8%をレイオフしたことについて、「決定が下される前に予告してもらえるとありがたかった」と述べている。

(出典:NASA / ESA / JPL-Caltech / GSFC)
(出典:NASA / ESA / JPL-Caltech / GSFC)

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