NASA火星サンプルリターン計画、予算は不透明--それでも高まる期待

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NASA火星サンプルリターン計画、予算は不透明–それでも高まる期待

2024.03.19 07:30

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の火星からのサンプルリターン計画「Mars Sample Returen(MSR)」について、現時点での進捗が報告されいてる。

 MSRは、現在火星で稼働している探査車(ローバー)「Perseverance」で集めた火星の試料(サンプル)を着陸機と上昇機で打ち上げ、火星を周回する探査機(オービター)とドッキングし、地球へと持ち帰る計画だ。

 MSRは予算の膨張を理由に計画の縮小が命じられており、現時点でその予算は確約されていない

 米国時間3月12日に米テキサス州で開催された月惑星科学会議(Lunar and Planetary Science Conference:LPSC)の発表によれば、Perseveranceは43本のチューブのうち26本にサンプルを充填したという。26本のチューブのうち20本には岩石コアが入っており、2本にはレゴリス、1本には大気サンプルが入っている。残り3本は、他のチューブとの比較用として利用される。

 まだ使用されていない17本のチューブのうち15本には他のサンプルを入れることができる。科学者によれば、火星のクレーターの縁には「信じられないほどの多様性」を示す、さまざまな年代とプロセスを経た岩石があるという。生物の痕跡の可能性を示唆する岩石の発見も期待されている。

火星日467日目(2022年6月13日)にPerseveranceが撮影した火星表面(出典:NASA / JPL-Caltech / ASU)
火星日467日目(2022年6月13日)にPerseveranceが撮影した火星表面(出典:NASA / JPL-Caltech / ASU)

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