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中国、月探査機を喪失か–ロケット上段に異常、月周回軌道に投入できず
2024.03.15 18:30
中国が打ち上げた、月周回軌道に投入される予定の探査機2機「DRO-A」「DRO-B」が喪失した可能性がある。
ミッションは中国時間3月13日に西昌衛星発射センターから打ち上げられた。国営通信社の新華網によれば、DRO-AとDRO-Bを搭載した「長征2号C」ロケットの上段ステージに異常があり、衛星を予定軌道に投入できなかった可能性があるという。
現時点では、探査機がどの軌道に存在するのか、ミッションが中断されたのかどうかは不明だ。DRO-AとDRO-Bは月の観測や通信に適した、遠方逆行軌道(Distant Retrograde Orbit:DRO)に投入される予定だったとみられている。
DROは、月が地球を回る方向とは反対に周回する軌道。軌道を維持するための噴射を極力抑えられるメリットがあるとされている。
2023年に中国「Journal of Deep Space Exploration」に掲載された論文によると、DRO-AとDRO-Bは、地球低軌道(LEO)にある「DRO-L」と名付けられた別の衛星と通信するように設計されているという。