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アークエッジと三井住友海上、小型衛星コンステレーションの保険開発などで協業
2024.03.07 08:00
アークエッジ・スペース(東京都江東区)と三井住友海上火災保険は包括連携協定を締結。小型衛星コンステレーションのリスクの評価やマネジメント、新しい保険商品やサービスの開発で協業を開始した。3月6日に発表した。
複数の衛星を協調させて動作させるコンステレーションは、地上との通信や地球観測の頻度を高める上で有効であることから、「衛星VDES(VHF Data Exchange System、VHFデータ交換システム)」をベースにした海洋デジタル化の推進、気候変動対策といった地球規模の課題解決に貢献することが期待されているという。
一方で10cm×20cm×30cmなどの小型衛星で本格的に事業化された事例は世界的に少なく、開発初期の段階から信頼性と効率性を考慮した柔軟な運用の仕組みを検討することが重要と説明する。
こうした背景から、衛星コンステレーションの産業レベルでの社会実装に向けた事業と技術の両面でのさまざまな事業リスクを評価するとともに新しい保険商品の開発を含む事業運営について、アークエッジと三井住友海上で協業して、(1)超小型衛星コンステレーションにあった新たな保険商品の開発、(2)衛星VDESの海洋マーケットへの利活用促進――という2つを中心に取り組みを進めていくとしている。
(1)「超小型衛星コンステレーションにあった新たな保険商品の開発」では、世界最先端という超小型衛星を開発するアークエッジと約50年間宇宙のリスクを宇宙保険で引き受けてきたという三井住友海上のノウハウを融合させ、市場拡大が見込まれる衛星コンステレーション向けの新しい宇宙保険商品の開発に向けた検討を進めていく。アークエッジの衛星から取得できるさまざまなデータを三井住友海上が防災や減災に活用するとともに補償前後のサービス開発も進めていくとしている。
(2)「衛星VDESの海洋マーケットへの利活用促進」では、産学官が連携して事業化するためのプラットフォーム構築を目的にした「衛星VDESコンソーシアム」でユースケースやビジネスモデルの検討、地上VDES通信実験、実衛星利用サービス開発を進めて、海洋市場でのリスク管理の検討を進めて、衛星VDESの利活用を促進させていくとしている。
衛星VDESは、現在の船舶自動識別装置(Automatic Identificatin System:AIS)を高度化させたもの。AISLEの機能を拡張して、船舶や海洋を対象に双方向通信でネットワークを構築する。AISの最大32倍の通信レートが特長。衛星を経由することで地球規模で船舶の安全や安心、洋上業務をリアルタイムに連携できるという。衛星VDESコンソーシアムは2022年10月に設立。アークエッジも参加している。
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アークエッジプレスリース