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NASA、「ソーラーセイル」の展開に成功–太陽の光で推進、深宇宙探査に活用
2024.02.16 07:30
米航空宇宙局(NASA)は1月30日、地球表面から200万km以上の深宇宙を探査するための推進システムとして利用する「太陽帆(ソーラーセイル)」を地上施設で展開した。2月12日に発表された。
ソーラーセイルでは太陽からの光子を受け反射することで、推進力を生み出す。光の粒子は質量を持たないが、ソーラーセイルのホイル上の素材で反射すると、運動量を与えることができる。
米コロラド州ロングモントにある、米民間企業Redwire Spaceの施設で4つのソーラーセイルのうちの1つが展開に成功した。同社はソーラーセイルの展開機構と長さが約100mの張出棒を開発。米民間企業NeXolve(旧SRS Technologies)がソーラーセイルを提供した。
NASAの科学ミッション本部は、Redwire Spaceのソーラーセイル技術に新たな技術成熟度レベル(Technology Readiness Levels 6:TRL6)に向けて資金を提供した。NASA技術者のLes Johnson氏は「この技術は低コストで長期間の宇宙ミッションを推進し、太陽系外へのミッションを加速させる」と述べている。