KDDI、領海外でも「スターリンク」が利用可能に--最大220Mbpsの「マリタイム」

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KDDI、領海外でも「スターリンク」が利用可能に–最大220Mbpsの「マリタイム」

2024.02.15 16:13

佐藤信彦

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 KDDIは、法人向け衛星インターネットサービス「Starlink Business」のメニューとして提供している海上用プラン「MARITIME(マリタイム)」を日本の領海外でも利用可能とした。

 Starlinkは、Space Exploration Technologies(SpaceX)が提供している衛星コンステレーションによるインターネット接続サービス。従来の衛星通信に比べ高速なインターネット接続が可能なため、陸地と船舶間の通信速度が大幅に向上するという。

海上で高速インターネット接続が可能に(出典:KDDI)
海上で高速インターネット接続が可能に(出典:KDDI)

 KDDIは、SpaceXとの契約を通じ国内の企業や自治体向けにStarlinkを提供開始。Starlink Businessは、個人向けのStarlinkに比べて帯域面などが高品質な法人向けサービスだ。

 MARITIMEは、船舶や海上の施設での利用を想定したプラン。KDDIは、2023年7月から国内向けに提供している。電波法の制約から、これまでは領海内(領海の基線の外側12海里=約22kmまでのエリア)でしか利用できなかった。

 制度改定に伴い、領海外でも利用可能となった。具体的には、領海との接続水域、排他的経済水域、公海でStarlinkを利用できる。他国の領海内では、当該国の法律に従って利用の可否が判断される。

 MARITIMEの通信速度は最大220Mbps。データ通信遅延は25~50ms。使用するアンテナは「Flat High Performance」タイプで設置面積が小さく、船舶のデッキ上で大きなスペースを占有せず設置できるという。

 船舶でのStarlink導入は広まっており、日本郵船の子会社の郵船クルーズが運航する「飛鳥II」、商船三井のクルーズ船やフェリー、RORO(Roll-on Roll-off)船外国航路船舶(外航船)などで利用されている。

大型クルーズ客船「飛鳥II」もStarlinkを導入(出典:KDDI)
大型クルーズ客船「飛鳥II」もStarlinkを導入(出典:KDDI)

関連リンク
KDDIプレスリリース
MARITIMEプラン概要


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