H3試験機で打ち上げ--超小型衛星「TIRSAT」、セーレンやアークエッジなどが運用

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H3試験機で打ち上げ–超小型衛星「TIRSAT」、セーレンやアークエッジなどが運用

2024.02.07 08:00

UchuBizスタッフ

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 2月15日の打ち上げが予定されている超小型衛星「TIRSAT」はキューブサットで重量は約5kg。8~14μmと10.5~12μmという2つの波長を選択可能な「非冷却小型熱赤外センサー」を搭載する。

 衛星バス開発と衛星運用をセーレン(福井県福井市)、センサー開発をビジョンセンシング(大阪市北区)、地上局運用をアークエッジ・スペース(東京都江東区)が担当し、一般財団法人の宇宙システム開発利用推進機構(J-spacesystems)がとりまとめる。

 大きさは3U(12cm×12cm×30cm)のTIRSATは、経済産業省の2020年度の委託事業「補正サプライチェーン強靭化に資する技術開発・実証事業(サプライチェーンの迅速・柔軟な組換えに資する衛星を活用した状況把握システムの開発・実証)」に採択。福井大学や東京大学 大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻 中須賀・船瀬研究室などで開発された。

TIRSAT(出典:セーレン)
TIRSAT(出典:セーレン)

 2月15日に予定されている新型基幹ロケット「H3」試験機2号機で打ち上げられるTIRSATは、アークエッジとセーレン、福井大学、福井工業大学が協力して運用する予定。

 受信局としては、アークエッジの牧之原地上局(静岡県)のほか、東京電機大学と福井工業大学の計3カ所のアンテナ局を、通信所としては、アークエッジの通信所、セーレンのTPF事業所(福井県坂井市)内に設置するセーレン通信所の2カ所を利用する。

 軌道への投入後から人工衛星と受信局との通信確保(クリティカル運用)と人工衛星の健全性の確認(初期運用)に約2週間をかける。問題がなければ定常運用に移行し、非冷却小型熱赤外センサーなどの実証実験を開始する予定。

TIRSATの運用の流れ(出典:アークエッジ)
TIRSATの運用の流れ(出典:アークエッジ)

 ビジョンセンシングが開発した非冷却小型熱赤外センサーは、地表や対象物の熱の変化を測る熱赤外(Thermal InfraRed)を観測する。今回の軌道上実証では、この熱赤外カメラによる遠赤外領域を計測する(高感度モード:8~14μm帯、波長限定モード:10.5~12μm帯を選択可能)。

 熱赤外を観測して、大量の熱を放射する製鉄所の稼働を調査するなど経済活動の観測で活用を検討。将来の危機に備える情報収集手段としての有効性を確認することが期待されているという。

 地上局(衛星管制用地上局)は、衛星を運用するために必要な信号の宇宙に向けた送信や衛星から地上に送信されてくるデータを受信、処理するためのアンテナを有する施設。アークエッジは、衛星を開発、運用を柔軟かつ効率的に進めるため、静岡県牧之原市に独自の地上局を整備。自社開発の衛星管制に加えて、他社製衛星の開発や実証の目的で地上局サービスの提供も予定している。

牧之原地上局(出典:アークエッジ)
牧之原地上局(出典:アークエッジ)

関連リンク
アークエッジプレスリリース(PR TIMES)
セーレンプレスリリース

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