「H3」ロケット試験機2号機、2024年2月15日に打ち上げ--応援メッセージを募集

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「H3」ロケット試験機2号機、2024年2月15日に打ち上げ–応援メッセージを募集

2023.12.28 12:11

UchuBizスタッフ

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月28日、新型基幹ロケット「H3」の試験機2号機(Test Flight No.2:TF2)を2024年2月15日に種子島宇宙センターから打ち上げると発表した。予定時間は午前9時22分55秒~午後1時6分34秒。予備期間は2024年2月16日~2024年3月31日。

 試験機1号機(Test Flight No.1:TF1)は2023年3月7日に打ち上げられたが、第2段エンジン「LE-5B-3」が着火されずに指令破壊信号が送出され、TF1は破壊された。搭載されていた貨物(ペイロード)の先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)は軌道に載せることができなかった。

 2024年2月15日に打ち上げられるTF2には、ロケットの性能を確認するダミーペイロード(Vehicle Evalution Payload-4:VEP-4)が搭載される。VEP-4は、将来に打ち上げられる予定の先進レーダー衛星「だいち4号」(ALOS-4)と同じ重量の2.6t。

 TF2には、2機の小型衛星「CE-SAT-IE」「TIRSAT」が相乗りする

 CE-SAT-IEはキヤノン電子製で重量は70㎏。分解能0.80mの静止画や8K動画を撮影する可視光センサーを搭載する。

 TIRSATは3U(30×10×10cm)サイズで重量は約5kg。8~14μmと10.5~12μmという2つの波長を選択可能な非冷却小型熱赤外センサーを搭載する。衛星バス開発と衛星運用をセーレン、センサー開発をビジョンセンシング、地上局運用をアークエッジ・スペースが担当し、一般財団法人の宇宙システム開発利用推進機構(J-spacesystems)がとりまとめる。

 TF2の飛行計画は、打ち上げ後1分56秒でブースター「SRB-3」が分離、4分58秒で第1段エンジン「LE-9」が燃焼停止、5分17秒に第2段エンジン「LE-5B-3」の第1回推力立ち上がり、16分36秒にLE-5B-3の第1回燃焼停止。その後CE-SAT-IEとTIRSATが分離される。1時間47分13秒にLE-5B-3の第2回推力立ち上がり、1時間48分19秒にVEP-4が分離される予定。

 TF1の失敗後、JAXAは理事の布野泰広氏をリーダーとする原因究明チームを発足させて、三菱重工業や外部のエレクトロニクス専門家とともに原因究明に努めてきた

 JAXAは、TF2への応援メッセージを募集している。X(旧Twitter)に「#がんばれH3TF2」を付けて投稿。専用フォームからでも投稿できる。応援メッセージは、シールに印字して打ち上げるTF2のフェアリングに貼り付ける

(撮影:秋山文野氏)
(撮影:秋山文野氏)

関連リンク
JAXAプレスリリース
TF2打ち上げ計画書(PDF)
TF2応援メッセージ専用フォーム

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