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民間初ならず–月着陸を断念「ペレグリン」、推進剤消失の原因はバルブの故障か
2024.01.11 14:15
米Astrobotic Technologyは米国時間1月9日、月着陸船「Peregrine」(ペレグリン)のミッション失敗について、バルブの故障が原因という可能性を指摘した。
1月8日にUnited Launch Alliance(ULA)の新型ロケット「Vulcan Centaur」で打ち上げられたPeregrineは、直後に機体に異常が発生。推進剤の漏洩から目標としていた月面への軟着陸を断念した。
Astroboticによれば、Peregrineの故障の原因として予測されるのは、「ヘリウム加圧剤と酸化剤の間のバルブが初期化中に再密閉できなかった」としている。「このため高圧ヘリウムが噴出し、酸化剤タンクの圧力が作動限界を超えて上昇し、その後タンクが破裂した」
Peregrineは米航空宇宙局(NASA)や日本の大塚製薬の「ポカリスエット」などさまざまな顧客のために20のペイロードを搭載している。NASAは商業月面輸送サービス(CLPS)として5つの科学機器を着陸船に搭載したが、これらのペイロードはいずれも目的地に到達していない。