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ソラコム、衛星データ通信に対応–海上や未開発地域でのIoT利用を実現

2022.07.07 09:22

小口貴宏(編集部)

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 ソラコムは7月6日、IoTプラットフォーム「SORACOM」に、人工衛星を利用したデータ通信機能を統合したと発表した。160〜200バイト程度のメッセージ送信に特化し、携帯電話の通信ネットワーク(セルラー)網がつながらない洋上や未開発地域での利用を想定している。

 SORACOMはこれまで、5GやLTE、LTE-Mなどの、携帯電話のネットワークがベースのセルラー回線を用いたデータ通信サービスを提供してきた。

 今回、SORACOMがスイスの衛星通信企業Astrocastと米国のSwarm Technologiesが提供する通信モジュールに対応し、セルラー通信に加え、人工衛星を経由したデータ通信が利用可能になった。

 ユーザーは従来のセルラー回線と同様に、データ保存や可視化、クラウド連携などのSORACOMのアプリケーションサービスを衛星通信でも利用できる。また、衛星通信モジュールやアカウント、通信料金の請求もSORACOM上で一元管理できる。

 なお、今回提供する衛星通信は、インターネット接続を提供するものではなく、独自プロトコルによるメッセージングサービスとなる。

 一度に送信できるデータはAstrocastの場合で160バイト、Swarm Technologiesの場合で200バイト程度となる。また、人工衛星が頭上を通過する頻度に応じて、エリアごとに通信できる回数やタイミングも異なるという。少量のテキストかつ低頻度のメッセージ送信を郊外や海上、未開発エリアなどで実施するなどのユースケースで活用できる。

 この衛星通信サービスは、先進技術を検証目的で利用するユーザーに向けた「Technology Preview」として提供する。利用にはウェブサイトで事前登録を済ませる必要がある。

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