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ハッブル宇宙望遠鏡、ジャイロのトラブルで観測停止中–復旧方法を検討中
2023.11.30 16:07
米航空宇宙局(NASA)は、Hubble(ハッブル)宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)のジャイロスコープに問題が発生し、米国東部標準時11月23日から観測を停止していると発表した。
Hubble宇宙望遠鏡は、1990年4月に打ち上げられて以来、地球周回軌道上で33年にわたって天体観測に活用されてきた。空気抵抗の影響で高度が徐々に低下しており、このままだと大気圏に再突入して破棄されてしまう。NASAは、高度を上昇させて延命するための技術的アイデアを募っている。
ジャイロスコープは、Hubble宇宙望遠鏡が回転速度や方向を検知するための装置。現在3個のジャイロスコープを使っているが、その内の1つからデータが読み取れなくなってしまった。そのため、自動的にセーフモードへ移行し、観測できない状態になった。
実は、11月19日に初めてセーフモードへ入ったが、翌日に復旧。11月21日にもセーフモードになってから復旧できたが、11月23日に再度セーフモードに入った。
ジャイロスコープ以外の機器は正常で、望遠鏡にも問題はない。運用チームは観測を再開させようと、原因究明と対策検討に取り組んでいる。3個のジャイロスコープを使えると理想的だが、1個でも運用は可能なので、場合によっては1個で動かす設定への変更も考えられる。
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NASA発表