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シャープ、低軌道と中軌道の衛星と通信する小型アンテナ開発を開始
2023.11.30 13:53
シャープは、高度2000km以下の地球低軌道(LEO)と高度約2000~3万6000kmの地球中軌道(MEO)の衛星と通信できる、小型軽量な地上局用フラットパネルアンテナの開発を開始した。2024年度中の商品化を目標としている。
海上や山地、島しょ部などは通信用基地局の整備が難しく、モバイル通信の利用が困難だ。そうした地域では、衛星通信が活用されてきた。
シャープは、以前から使われている、高度3万6000kmの静止軌道(GEO)衛星経由の通信でなく、より高品質で高速大容量の通信が可能なLEO/MEO衛星との通信に使うKaバンド(周波数帯域は衛星通信用のアップリンク27~31GHz、ダウンリンク17~21GHz)やKuバンド(周波数帯域は12~18GHz)の両方に対応するフラットパネルアンテナを開発する。
これまでのスマートフォン設計で培った高周波技術や高効率放熱技術、センサー技術などを活用し、少電波損失で安定した通信が可能なアンテナの技術開発に取り組む。並行して、そのアンテナを実装したユーザー端末も開発する。
小型かつ軽量、低価格なアンテナとし、船舶などへの搭載を想定している。さらなる広帯域化と小型化も進め、ドローンや自動車などへの搭載も目指す。
この開発プロジェクトは、情報通信研究機構(NICT)による「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」の「社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム」に採択された。研究開発期間は2023~2027年度で、中間評価を行うステージゲート評価実施年度(2023~2024年度)の交付決定額は13億5000万円。
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シャーププレスリリース
NICT Beyond 5G(6G)基金事業社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム