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地球用のGPSとGalileoを月でも利用可能か検証プロジェクト進める–NASA
2022.06.13 12:18
米航空宇宙局(NASA)は、地球の表面近辺で位置情報を得るための全地球的測位システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)について、月面探査の際にも活用できないか検証する取り組み「Lunar GNSS Receiver Experiment(LuGRE)」を進めている。
GNSSは、地球を周回している衛星コンステレーションからの電波信号を利用して、位置情報を取得するシステムの総称。主なサービスとしては、米国の「GPS」や欧州の「Galileo」がある。
NASAは、月探査計画「Artemis(アルテミス)」などで月と地球とのあいだの飛行や、月面での活動で正確な位置情報を得る必要がある。そのため、イタリア宇宙機関(Agenzia Spaziale Italiana:ASI)と共同でGNSSの利用を検討している。
LuGREでは、イタリア企業Qascomが開発した装置を用い、微弱なGPSとGalileoの電波を受信。そして、地球から月へ向かう途中と、月の周回軌道上での測位を実験する。さらに、月の「危難の海」に着陸させて、月面でのデータ収集も実施する予定だ。
実験装置は、米Firefly Aerospaceの月着陸船「Blue Ghost」に搭載し、SpaceXのロケット「Falcon 9」で2024年以降に打ち上げる計画。