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商船三井、外航船200隻以上に「Starlink」本格導入–世界的な船員不足に対応
2023.10.18 13:33
海運大手の商船三井は、グループで管理する外国航路船舶(外航船)233隻に衛星インターネットサービス「Starlink」を順次導入していく。2023年度中に約140隻に導入する予定。
Starlinkは、Space Exploration Technologies(SpaceX)が提供している衛星コンステレーションによるインターネット接続サービス。船上でStarlinkを利用すると、一般に使われている既存の通信環境と異なり、船舶と陸上基地などとのあいだで情報のリアルタイム共有が可能になる。
商船三井は、外航船にStarlinkを試験導入し、検証してきた。その結果、通信速度が最大で50倍向上するなど、通信環境の改善につながったという。従来は難しかった家族とのビデオ通話や動画の視聴などの利用が可能となり、船員のウェルビーイング向上効果が得られたとしている。
海運業界では船員不足が深刻化しており、1月時点で世界で必要とされる船員に対して1割不足していると指摘されている。Starlink導入で船員のウェルビーイングを改善し、船員不足の問題に対応していく方針。
商船三井は、内航を走るクルーズ船、フェリー、貨物を積んだトラックやトレーラーをそのまま運ぶ“RORO(Roll-on Roll-off)”船でも試験導入する。2024年12月には航行中でもワーケーション可能なクルーズ船「MITSUI OCEAN FUJI」の運航を開始する。
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商船三井プレスリリース