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気球での宇宙旅行目指す岩谷技研、HOSPOで放球試験–高度33kmから信号を受信
2022.05.24 16:53
“NearSpaceからの宇宙旅行”を目指す岩谷技研(札幌市北区)は5月19日、商業宇宙港「北海道スペースポート(HOkkaido SpacePOrt:HOSPO)」で自社製基板の無線通信方式「LoRa」の高高度放球試験を実施したと発表した。
今回の試験は、北海道大樹町とSPACE COTAN(北海道大樹町)の協力の下、HOSPO内の1000m滑走路で改良版の自社製通信基板による通信動作検証が目的。
3月末に行った試験では、最高高度18.2kmからの受信に成功。今回は、プログラムをさらに最適化した新基板を採用し、前回の試験結果を超える高度33.1kmからの安定した信号受信に成功したという。水平距離は、HOSPOから83km(釧路沖着水)。
同社によると、打ち上げ直後から着水直前(海上430m付近)まで、信号を受信し続けることに成功しており、同社が構想している、25kmの宇宙遊覧高度を超える高度からでも問題なく、無線信号を受信できることを実験的に確認できたという。
試験には、生分解性カプセルとゾンデ気球(どちらも微生物で自然に還る材質)を用いており、HOSPOでの実験は今回が初めてとなる。
今後、大樹町とより密接な連携・協力体制を構築し、2022年度中の高高度有人飛翔試験実施に向け、通信機器の試験をはじめ、気密キャビンやプラスチック気球の実証実験を行う。