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月面の水分布地図を作成へ–NASAの月周回衛星「Lunar Trailblazer」機器の搭載完了

2023.08.22 12:00

塚本直樹

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 月周回衛星「Lunar Trailblazer」の打ち上げ準備が着々と進んでいる。米航空宇宙局(NASA)は8月16日、同探査機が搭載する最後の科学機器「Lunar Thermal Mapper」(LTM)の組み込みが完了したと発表した。

 LTMは、英国のオックスフォード大学が製作し、英国宇宙局が提供した機器だ。これにより、月の表面の熱特性やケイ酸塩の岩石、土壌の組成を詳細に調査することが可能となる。

 また、Lunar Trailblazerには、NASAのジェット推進研究所(JPL)が開発した「High-resolution Volatiles and Minerals Moon Mapper」(HVM3)も搭載する。この機器は、LTMと連携して、月面の水の存在や分布を高精度で検出する役割を果たす。この2機器を組み合わせて、月面の水分布を示す地図の作成を目指す。

 NASAはこれ以外にも月面の水分の調査を進めており、2022年11月に実施された月探査ミッション「Artemis I」では、キューブサット「LunaH-Map」が同時に打ち上げられた。また、韓国の探査機「タヌリ」には、NASAの「ShadowCam」が搭載され、月南極付近の探査地点を調査している。

(出典:Lockheed Martin)

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